“薄痘痕”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うすあばた50.0%
うすいも50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『まあ、私共始め、左様さういふことを伺つて見ますと、あまり好い心地こゝろもちは致しませんからなあ。』と薄痘痕うすあばたの議員が笑ひ乍ら言葉を添へる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この連中の顔は、肥えて丸々していて、中には疣の出来たのもあり、また薄痘痕うすあばたのもある。
二人はやっとつかみ合いをやめた。彼等の前には薄痘痕うすいものある百姓の女房が立っていた。それはやはり惣吉そうきちと云う学校友だちの母親だった。
百合 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
鼻のあたり薄痘痕うすいもありて、口を引窄ひきすぼむる癖あり。歯性悪ければとて常にくろめたるが、かかるをや烏羽玉ぬばたまともふべくほとん耀かがやくばかりにうるはし。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)