蕭々しとしと)” の例文
雨戸の外では、蕭々しとしと降りそそぐ音が聞える。雨はみぞれに変ったらしい、お雪は寒そうに震えて左の手で乳呑児ちのみごを抱きかかえながら、右の手に小さなコップを取上げた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
九月ももう二十日を過ぎたので、残暑の汗を洗ふ雨の糸を、初秋めいたうそ寒さが白く見せて、蕭々しとしとひさしを濡らす音が、山中の村で聞くとは違つて、厭に陰気な心を起させる。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)