葭簀張よしずっぱり)” の例文
と出すのを見ると元小兼の主方しゅうかたの娘で、本多長門守様の御家来岩瀬なにがしと申し、二百石を頂戴した立派な所のお嬢様で何う零落おちぶれてこんな葭簀張よしずっぱりに渋茶を売って居るかと
娘も見送りながら葭簀張よしずっぱりを出ようとすると、川崎道から参りましたのは相州東浦賀の名主役石井山三郎で、連れて参った男は西浦賀の江戸屋半治えどやはんじ、ちょっと競肌いなせな男で
これから元名村もとなむらの所へ来ると丹波屋たんばやという茶漬屋がありますが、此処ここも客が一杯でれから右へ切れて、川崎へ掛る石橋の所、妻恋村つまごいむらへ出ようとする角に葭簀張よしずっぱりが有って
誠にこれが芸妓をして私は誠にもう面目ない葭簀張よしずっぱりの茶見世を出して、お茶を売るまでに零落おちぶれました、それから見ればお岩様なぞは此方様こなたさまのお側だから何も御不足はないので
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)