葛飾郡かつしかごおり)” の例文
半千院はんせんいん出藍終葛大姉しゅつらんしゅうかつだいしというのである。半千は五百、出藍は紺屋町こんやちょうに生れたこと、終葛は葛飾郡かつしかごおりで死ぬることである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
下総国葛飾郡かつしかごおり流山在の郷士の伜で、父藤九郎は快男子、赤格子九郎右衛門と義兄弟を結び、密貿易を企てたが、その後ゆえあって足を洗い、酒造業をいとなんだところ、士族の商法で失敗した。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
西行を追って、なお書いて行くと、余りに横道へれるので、またひとまず、紙面で別れたが、西行の旅は、あれから武蔵国葛飾郡かつしかごおりの、今の幸手さっての辺にかかってゆく。そこで冬のころまで病に臥す。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
葛飾郡かつしかごおり永代築地
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)