荷馬にうま)” の例文
荷馬にうまの口へ結びつけた秣桶まぐさおけから麦殻むぎからのこぼれ落ちるのを何処から迷って来たのか痩せた鶏が一、二羽、馬の脚の間をば恐る恐る歩きながらついばんでいた。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
この頃の日盛りに近所の問屋とひや荷役にやくに来る馬子まごが、荷馬にうまをその夫人の住居すまゐの格子戸に繋いでおく事がよくある。
そうして馬の背の上に、梅鉢の紋らしいのが見えるところによって見れば、これは、やはりこの街道の神様である加州家にちなみのある荷馬にうまであることも推測おしはかられます。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ブランとげていた縄の端で、荷馬にうまの尻をなぐるように、いきなり二ツ三ツ源次の頬を見舞った。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この馬を雇うということは容易でない。よい具合に荷馬にうまか旅馬が来合わさないと馬を得ることは余程かたい。駅馬はあるがそれは毎日政府の用に取られてしまうから我々の手には決して入らない。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
荷馬にうまはビツシヨリ
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
うまうま荷馬にうま
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)