茶掛ちゃがけ)” の例文
其後茶掛ちゃがけに句を所望せられたるに書きたる句を打ち忘れ居たるを近藤いぬゐ先頃川越の茶会に招かれ其軸を示されたるを覚え来れりとて教へくれたるもの。川越は久田家の茶の宗匠なり。
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
女中に案内されて奥へ来てみると、小田原ほど立派ではないが木のがプンプンしている二尺の一間床に、小田原と同じ蝦夷菊えぞぎく投入なげいれにしてある。落款らっかんは判からぬが円相えんそうを描いた茶掛ちゃがけが新しい。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「これは茶掛ちゃがけによかろうと思うが」と、或る時お兄様がいわれます。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)