船橋ブリツヂ)” の例文
コロムボに入港する晩僕は船長の許しを得て船橋ブリツヂに立つて居た。十マイルさきから見えたコロムボ市街の灯火は美しかつた。月が照りながら涼しい雨が降つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
後部の掌砲兵しやうはうちやうが悲痛の声を絞つて、伝声管ボーイス・チユーブに口を寄せて叫んだ。けれども伝声管ボーイス・チユーブはもう敵弾にいたんでゐるので、船橋ブリツヂへは通じない。よし通じても、監督の堀大尉は戦死してゐた。
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
爆沈させるだけの話だ。監督将校のほり大尉も、さつき船橋ブリツヂで船長にさう言つてゐた。
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
偉大な体格の、腹の突き出た諾威ノルヱエ人の船長は両手を組んだまゝ前方を見て動かない。麦藁帽をかぶつた優形やさがたの水先案内は軽快に船橋ブリツヂを左右へ断えず歩んで下瞰かかんながひびきのよい声で号令する。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
中原がこゝまで言ひかけたとき、船橋ブリツヂの方で、けたゝましく喇叭らつぱが鳴つた。
怪艦ウルフ号 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)