自嘲的じちょうてき)” の例文
十余年前、『親馬鹿の記』を書いたときの私には、まだ心のゆとりがあり、自嘲的じちょうてきな言葉にも、人生を諷刺ふうしするだけの稚気ちきがあった。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
もこれとやや同想であり、生活の不遇から多少ニヒリスチックになった、悲壮な自嘲的じちょうてき感慨をむべきである。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
半ば自嘲的じちょうてきであった。過去の牢獄生活の上に現在の自分を築き上げた彼は、その現在の自分の上に、是非とも未来の自分を築き上げなければならなかった。それが彼の方針であった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
女は遊びのあとには、特別自嘲的じちょうてきになることが多かった。
私は海をだきしめていたい (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
若松屋惣七は、自嘲的じちょうてきに笑い出していた。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)