肥料溜こえだめ)” の例文
身ぎれいにしてるが、一方では情婦いろおんなをこしらえて、手鼻をかむ馬方でさえ眉をしかむるような、肥料溜こえだめ塵溜ちりだめを心の底に持っている。
さればといって急いで歩き出すと、いまにも眼の前に泥田圃か肥料溜こえだめが、ぱかと口を開き、それにのめり落ちたが最後、奈落ならくの底までも沈み溺れそうな気がいたします。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)