肉汁スウプ)” の例文
先刻さつき肉汁スウプさじもつけないで残つてゐたので、代りに次の皿をおいて、前のはその儘下げて来た。そして料理部屋で舌鼓したつゞみを打ちながらこつそりそれを食べた。
舌触りのいい肉汁スウプすゝりさして、大帝はひよいと顔を持ち上げた。そしてそばにゐた別荘の主人に呼びかけた。
「うむ。それは結構だ。」大帝はまた肉汁スウプを啜り出さうとしたが、やつぱり気になつてならないと見えて、も一度駄目を押した。「ほんとうに一匹も居なからうな。」
塩引鮭の肉汁スウプといふのは、名前通りに塩鮭の切身をとろ火で煮出した汁である。手つ取り早く言ふと安官吏の油汁あぶらじるのやうに脂つ気の薄い、しよつぱい水気みづけ沢山たくさんなものだが、訥子は
訥子は塩鮭の肉汁スウプほかに今一つ年の寄らぬ法を知つてゐる。
そこで考へ出されたのが塩引鮭しほびきさけ肉汁スウプである。