老夫婦ふたり)” の例文
逆上してをかしき事を言ふらしければ、今宵一夜こゝに置きて、ゆる/\睡らせたしと老婆もいふに、男は老夫婦ふたりにまかせてお蘭は我が居間に戻りぬ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
老夫婦ふたりは猶もおらん樣が詞の幾倍を加へて、今少し身躰からだのたしかに成るまでは我等が願ひても此處に止めたしと思ひしを、孃樣よりのお言葉なれば今は天下はれての御食客いそうらうぞや
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
直次は老夫婦ふたりと共に玄關ちかき處にあれば一家の内ながらおのづからの隔てに、病中とは異なりて打とけて物いふ事も少なく、佐助おそよとても孃樣をば神さまのやうにいつきまつりて
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)