“ふたり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:フタリ
語句割合
二人66.5%
両人9.8%
男女6.4%
夫婦3.0%
兄弟1.8%
兩人1.6%
両女1.1%
二個1.1%
母子1.1%
両個0.6%
二女0.6%
姉妹0.5%
二箇0.5%
兩個0.5%
両箇0.4%
二者0.4%
姉弟0.4%
兄妹0.4%
両児0.3%
彼我0.1%
海狼0.1%
甲乙0.1%
老夫婦0.1%
主従0.1%
二客0.1%
兩女0.1%
両優0.1%
両名0.1%
両妓0.1%
二妹0.1%
二婢0.1%
二嬢0.1%
二童0.1%
兩者0.1%
兩親0.1%
典膳お浦0.1%
夫妻0.1%
母娘0.1%
父子0.1%
舅嫁0.1%
親子0.1%
長幼0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「おやおや、まあ。めずらしい大きなうりだこと、さぞおいしいでしょう。うちへってかえって、おじいさんと二人ふたりべましょう。」
瓜子姫子 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
⦅何にも知らないんだよ! これは一つ、両人ふたりをいつしよにしてやらなきやならん。先づ第一に馴染みにしてやらなくつちやあ!⦆
男女ふたりの話こそ聞えなかったが、それだけの事実でも、範宴がいかに巧みな偽瞞者ぎまんしゃであるかは分るじゃないか。あいつにだまされてはいかん
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは私に代表させた私一家へ対しての、夫婦ふたりの感謝だったのかも知れない。子供だけれど潔癖だからと、白い御飯を光るようにいてだした。
仲よくお兄弟ふたりして、はしをとっておられたかと思ううちのことだった。俄に……み手の箸をも投げそうな語気を高められていたのである。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つみおとし入んと計りくらき夜に昌次郎と兩人ふたりにて男女をころし悴娘の着類をきせ兩人の首をきつて川へ流せしおもむき最早兩人より白状はくじやうに及びしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
両女ふたりは人目に触れないで二階へ上ることができました。お君は、先に立ってその一室の障子を細目にあけて中を見入り
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
まず「贖い主」の事を見るに、九章三十三節には「また我ら(神と人と)の間には我らの二個ふたりの上に手を置くべき仲保あらず」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
閑話休題それはとにかく母子ふたり其處等そこらあるくと、いまつた、のお帳場ちやうばが、はしむかうの横町よこちやう一個ひとつあつた。無論むろん古道具屋ふるだうぐやなんです。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
褄前つまさきを揃えて裾を踏みくぐむようにして、円髷まげと島田の対丈ついたけに、面影白く、ふッと立った、両個ふたりの見も知らぬ婦人おんながある。
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
二女ふたりは今まで争ッていたので、うるさがッてへやを飛び出した吉里を、お熊が追いかけて来たのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
姉妹ふたりとも洋装で、髪はもちろん洋髪であった。
車中有感 (新字新仮名) / 上村松園(著)
洞穴から一里ばかりもへだたった処に、一箇の飛行船があって、その側で二箇ふたりの人が何か頻りに立働いている。
月世界競争探検 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
そして、口も利けなくなつた、兩個ふたりの爺さんがよれつもつれつして醉つてゐるのを見て、樂しいとも悲しいとも知れぬ感じが身に湧いて、私はたび/\涙を飮み込んだ。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
こう言って、夜道を緩々ゆるゆると東の方へ立去る両箇ふたりの旅人があるのを以て見れば、外は、やっぱり誂向あつらえむきのいい月夜に相違ない。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
殘りの二者ふたり之を見て齊しくさけびて、あゝアーニエルよ、かくも變るか、見よ汝ははやふたつにも一にもあらずといふ 六七—六九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ちょうど正雄が来合わせていて、姉弟ふたりは久しぶりで顔を合わした。正雄はこれまでにも二度ばかり親方を取り替えた。体の弱いので、あまり仕事のはげしい家では、辛抱がしきれなかった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
三郎兵衛は、具足を解いて、平服となってから書院へ出、兄妹ふたりを迎えた。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
両児ふたり嬉々ききとして、互いにもつれつ、からみつ、前になりあとになりて、室をで去りしが、やがて「万歳!」「にいさまあたしもよ」と叫ぶ声はるかに聞こえたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
ねえ、貴方はひとの顔さへ見りや、ぢきに悪縁だと云ふのが癖ですよ。彼我ふたりの中の悪縁は、貴方がそんなにいはなくたつて善く知つてゐまさね。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「その縁の尽きないのが、究竟つまり彼我ふたりの身の窮迫つまりなのだ。おれもかう云ふ事に成らうとは思はなかつたが、成程、悪縁と云ふ者は為方しかたの無いものだ」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あに? 横須賀だって?」漁師は吃驚びっくりして大きな眼を剥いた。「そりゃあお前さんえらいことをしたぞ、お前さんは海狼ふたりに乗っただ」
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
是はきっと悪漢共が海狼ふたりの潮流を利用して、海中に骸骨島と称する島を造り、そこに仕掛をして隠れているに違いないと思ったのです。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
かくて仲善き甲乙ふたり青年わかものは、名ばかり公園の丘を下りて温泉宿へ帰る。日は西に傾いてたにの東の山々は目映まばゆきばかり輝いている。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と話しながら石の門を入ると、庭樹の間から見える縁先に十四五の少女おとめが立っていて、甲乙ふたりの姿を見るや
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
逆上してをかしき事を言ふらしければ、今宵一夜こゝに置きて、ゆる/\睡らせたしと老婆もいふに、男は老夫婦ふたりにまかせてお蘭は我が居間に戻りぬ
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
老夫婦ふたりは猶もおらん樣が詞の幾倍を加へて、今少し身躰からだのたしかに成るまでは我等が願ひても此處に止めたしと思ひしを、孃樣よりのお言葉なれば今は天下はれての御食客いそうらうぞや
暗夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
難波なにわの旅寝をその夜かぎりとして、次の日の主従ふたりはもう京へのぼる淀川舟の上だった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
惜しくはあったが、かねてから主従ふたりは、ここで降りる予定であった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉里が入ッて来た時、二客ふたりともその顔を見上げた。平田はすぐその眼をらし、思い出したように猪口ちょくを取ッて仰ぐがごとく口へつけた、酒がありしや否やは知らぬが。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
お梅は二客ふたりの外套帽子を取りに小万の部屋へ走ッて行った。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
八重やへさつしてすゝめつゝとりまかなひてふうらすにふみにはあらで一枚ひとひら短冊たんざくなりけり兩女ふたりひとしく雲形くもがた
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なにならんと小走こばしりしてすゝりつ一枝ひとえだ手折たをりて一りんしうりんれかざしてるも機嫌取きげんとりなりたがひこゝろぞしらず畔道あぜみちづたひ行返ゆきかへりてあそともなくくらとりかへゆふべのそら雲水くもみづそう一人ひとりたゝく月下げつかもん何方いづこ浦山うらやましのうへやと見送みをくればかへるかさのはづれ兩女ふたりひとしくヲヽとさけびぬ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
両優ふたりとも若盛りで人気を争つてゐる間柄だつた上に、出し物は仮名手本かなでほん忠臣蔵で、仁左が師直もろなほ、鴈が判官はんぐわんといふ役割なので、双方の贔屓々々は両桟敷に分れて
「いや吉次。実は、こう両名ふたりとも、ご主君からご勘当をうけてしまったのだ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
四、五たび両妓ふたりがぶつかるうちに、当然、黒さんをはさんで張りッこになった。お鷹は、お蝶に情夫いろがあるのを知っていたので
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よう、得心してくれた。そなたも妙齢としごろ。いや後の二妹ふたりを嫁入らせるにも、先ず、そなたから先にまらねばなるまいし」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日に限つて、出時も昼后、供は一婢ひとりを、二婢ふたりにして、この間の今日の日に、お前ばかしを残すのは、よほど凄い思わくが、なくては、出来ぬ仕事じやないか。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
と互いにかたらうこの二嬢ふたりは。数多あまた群集したる貴嬢中にて水ぎわのたちたる人物。まず細かに評せんには。一人は二八ばかりにして色白く目大きく。丹花のくちびる厳恪げんかくにふさぎたれどもたけからず。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
二童ふたりは銭を握って表へ飛び出る。省作は茶でも入れべいとった。
春の潮 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
いざゆけ、導者よ、きみよ、師よ、兩者ふたりに一の思ひあるのみ、我斯く彼にいひ、かれ歩めるとき 一三九—一四一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今宵こよひもちひだけありしか如何いかに、さらでも御不自由ごふじいうのお兩親ふたり燈火ともしびなくばさぞこまはやかへりて樣子やうすりたきもの
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、頬に守宮やもり刺青いれずみをしている一人の乾児が、梁から釣り下げられている典膳お浦ふたりを指さした。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その時、その妙善の梵妻だいこくが、お茶を持って入って来たんです。で、かく夫妻ふたりとも判然はっきり見た。
□本居士 (新字新仮名) / 本田親二(著)
お美夜ちゃんは、もうすっかりおびえきり、お蓮様も、何ものかにつかれたように、母娘ふたりはお梶に手を取られるまま、フラフラと膝を立てて
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
若くて、風采ふうさいの立派な、情愛の深い父こそは、セエラにとってたった一人の肉親でした。父子ふたりはいつも一緒に遊び、お互にまたなきものと思っていました。
若し何としても動かすことの出来ない有力な証拠が現はれたらどうしよう——と舅嫁ふたりは胸をとゞろかせて出て行つたのであつた。
河原の対面 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
その片棒を私がやって、親子ふたりで寿町の家を出て、入谷いりや田圃を抜けて担いで行く。
甚之助じんのすけかぎりなく口惜くやしがり、父君ちヽぎみなげ母君はヽぎみめ、長幼ふたり令孃ひめあたりあるきて、中姉樣ちうねえさまいぢすことヽらみ、ぼくをも一處ともにやれとまり、令孃ひめむかへばわけもなくあまへて
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)