翁媼おうおん)” の例文
この翁媼おうおん二人の中の好いことは無類である。近所のものは、しあれが若い男女であったら、どうも平気で見ていることが出来まいなどと云った。
じいさんばあさん (新字新仮名) / 森鴎外(著)
爾来こゝに、孜々ししとして仁術を続け、貧民の施療、小児の種痘なぞ、其数も夥しいものになった。家も相応に富んだ。五男二女、孫も出来、明治三十四年には翁媼おうおんともに健やかに目出度金婚式を祝うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)