義伝ぎでん)” の例文
「隠密は斬るな、終身山牢へ入れて鳴門の向うへは返すな、間者を斬ると徳島城へたたりをする——というのは、義伝ぎでん様以来、破れぬお家のおきてでござります」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なさる! 当家中興の祖義伝ぎでん公以来、たとえいかなることがあっても、領土へ入りこんだ隠密は殺さぬおきて——間者を殺せば怪異を生むという徳島城の凶事を、そこもとは好んで招き召されたな
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)