羅刹女らせつにょ)” の例文
孫悟空に凝って、金箍棒きんこぼう羅刹女らせつにょ芭蕉扇ばしょうせんをありありと目に見た子供は、やがて原子の姿をも現身うつしみの形に見ることが出来るであろう。
簪を挿した蛇 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
独り珂雪かせつのごとし、また白銀のごとし、浄満月のごとし〉、この馬王、多くの商人が羅刹女らせつにょの難に遇うを救いし話、『宇治拾遺』にも載せたり。
八百の間ことごとく火焔かえんにつつまれ、それを越えようとすれば黒鉄くろがね身体からだでもとけてしまうという火焔山では、孫悟空は羅刹女らせつにょ芭蕉扇ばしょうせんにあおられてひどい目にあった。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)