“纏綿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
てんめん92.4%
つきまと4.5%
つけまつ1.5%
まとは1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
純粋なる専門画家として、おのれさえ、纏綿てんめんたる利害の累索るいさくを絶って、ゆう画布裏がふりに往来している。いわんや山をや水をや他人をや。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
匹夫ひつぷ野人やじんの如く飽くまで纏綿つきまとつて貴嬢を苦め申す如き卑怯ひけふ挙動ふるまひは、誓つて致しませぬ、——何卒、梅子さん、只だ一言判然はつきりおつしやつて下ださい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
そうしてしつこく自分自身の話題にばかり纏綿つけまつわった。それがまた津田のこうとする事と、間接ではあるが深い関係があるので、津田は蒼蠅うるさくもあり、じれったくもあった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
婀娜なまめかしい襦袢の袖が縺れて、男の肩に纏綿まとはる。背後から靠掛もたれかかる樣に抱きついて密接ぴつたり顏を押し附けると、切なげに身を悶えて
二十三夜 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)