繩暖簾なはのれん)” の例文
新字:縄暖簾
駒形堂の近く、とある繩暖簾なはのれんへ入つて、平次と八五郎は、間に合せの煮締にしめなんかで、一合かたむけた上、これから飯にしようといふ時でした。
狹い柳町の通は、造兵歸ざうへいがへりの職工で、にえくり返るやうである。軒燈けんとう徐々そろ/\雨の中から光出して、暖かい煙の這出はひだして來る飯屋めしや繩暖簾なはのれんの前には、腕車くるまが幾臺となく置いてある。
絶望 (旧字旧仮名) / 徳田秋声(著)
白山下の繩暖簾なはのれんに入つて、パイ一に取りかゝる外は無かつたのです。