トップ
>
緘
>
と
ふりがな文庫
“
緘
(
と
)” の例文
「勝手が判らなくってまごまごしているのは可哀想と思うたから……。」と言いかけて氏は堅く口を
緘
(
と
)
じて鋭い目で前方を
瞰
(
にら
)
んでいた。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
甲野さんは返事を見合せて口を
緘
(
と
)
じた。会話はまた途切れる。汽車は例によって
轟
(
ごう
)
と走る。二人の世界はしばらく
闇
(
やみ
)
の中に揺られながら消えて行く。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こう聞いて、私は全身にヒヤリとしたものを感じて、口を
緘
(
と
)
じた。二人でばかにする……この不用意な言葉が、私の腹のどん底へ、重い弾丸を投じたものだ。
父の出郷
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
今はからずもピラトからこのイエスを送って来られたものだから、ヘロデはたいへん喜んで、多くの言葉を費やして質問を発したけれども、イエスは堅く口を
緘
(
と
)
じて何をもお答えになりません。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
家持は忙てゝ、資人の口を
緘
(
と
)
めた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
▼ もっと見る
家持は
忙
(
あわ
)
てて、資人の口を
緘
(
と
)
めた。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
“緘”の意味
《動詞》
開いている口などををきつく閉じる。
(出典:Wiktionary)
緘
漢検1級
部首:⽷
15画
“緘”を含む語句
緘黙
緘黙行
緘默
五大力恋緘
封緘
緘默行
封緘紙
封緘葉書
緋緘
緘口
緘嘿
緘黙沈吟
要緘