綿津見わたつみ)” の例文
すなはちその道に乘りていでましなば、魚鱗いろこのごと造れる宮室みや、それ綿津見わたつみの神の宮なり。その神の御門に到りたまはば、傍の井の上に湯津香木ゆつかつらあらむ。
この点が日本上代の綿津見わたつみみやの言い伝えと、沖縄方面のニルヤカナヤの観念との、二つを一つに見ることのできない、最も顕著なる差別であろうと思うが、こうなってきた原因も
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
それは綿津見わたつみの神という海の神の御殿ごてんでございます。そのお宮の門のわきに井戸いどがあります。井戸の上にかつらの木がおいかぶさっておりますから、その木の上にのぼって待っていらっしゃいまし。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
流石けがすに忍びでや、墨染の衣は傍らの松枝まつがえに打ち懸けて、身に纏へるは練布の白衣、脚下に綿津見わたつみの淵を置きて、刀持つ手に毛程の筋の亂れも見せず、血汐ののりまみれたる朱溝しゆみぞの鞘卷逆手さかてに握りて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
りき、綿津見わたつみしほわか
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
りき、綿津見わたつみしほわか
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)