粟野あはの)” の例文
貴郎あなたさまだ、其時丁度ちやうど十二三の坊様が、長い刀を持ち出しなされて、とつちやんの復讐かたきうちに行くと言ひなさる、其れを今の粟野あはのに御座る伯母御様が緊乎しつかり抱き留めておすかしなさる——イヤもう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
権作老人と立ち別れて篠田は、降り積む雪をギイ/\と鞋下あいかに踏みつゝ、我が伯母のひとり住む粟野あはのの谷へと急ぐ、氷の如き月は海の如きあをき空に浮びて、見渡す限り白銀しろがねを延べたるばかり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
粟野あはので御座います」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)