粒果つぶ)” の例文
蜜柑の枝は、訶和郎の唇から柘榴ざくろ粒果つぶのような血がしたたる度ごとに、遠ざかる松明の光りの方へ揺らめいた。その時、兵士たちの群から放れて、ひとり山腹へ引き返して来た武将があった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)