竹内たけのうち)” の例文
ここは、越後国の国府こう竹内たけのうちという土地だった。都から遠くながされてきた流人るにん善信の師弟は、もう二年の歳月をここに送っていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
使節は竹内たけのうち松平まつだいら京極きょうごくの三使節、その中の京極は御目附おめつけう役目で、ソレには又相応の属官が幾人も附て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
弾正の子市兵衛は河内の八隅家やすみけに仕えて一時八隅と称したが、竹内越たけのうちごえを領することになって、竹内たけのうちと改めた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
元園町もとぞのちょうには竹内たけのうちさんという宮内省の侍医じいが住んでいて、新年には必ずこの獅子舞を呼び入れて色々の芸を演じさせ、この日に限って近所の小児こどもやしきへ入れて見物させる。
思い出草 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
(なんぞ、お慰め申さでは)と、竹内たけのうちの庵室へ、草餅を持って来たり、そっと野菜を置いて行ったり、親鸞も弟子たちもみな留守だと
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここは以前の竹内たけのうちの配所とちがって、萩原年景が心を尽して寄進した建築だけに、貧しいながらも一つの僧院らしい形はしていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)