突支棒つっかいぼう)” の例文
突臥つっぷしたんだの、俯向うつむいたんだの、壁で頭を冷してるのもあれば、煙管きせるで額へ突支棒つっかいぼうをして、畳へめったようなのもある。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まだ根も碌々ろくろく張っていないらしく、下の方に三角形に突支棒つっかいぼうを組んで植えてあるだけで、その突支棒がまた恐ろしく奇麗に緑いろのペンキで塗りたててある。
「もうじき潰れるぞ」と暗い中で誰かがどなった、「突支棒つっかいぼうをしなきゃだめだ」
さぶ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
英吉はまた火箸を突支棒つっかいぼうのようにして、押立尻おったてじりをしながら、火鉢の上へ乗掛のっかかって
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
半ばひしゃげたままの藤棚の方から、すくすくとこの屋台をおこして支えた、突支棒つっかいぼう丸太越まるたごしに、三人広縁に立って三方に、この干からびた大沼を見た時は、何だか焼原やけはらの東京が恋しくなった。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)