もう)” の例文
のち大江は県令林厚徳はやしこうとくもうして、師範学校を設けることにして、保を教頭に任用した。学校の落成したのは六月である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
さてこの奇談が阿部邸の奥表おくおもて伝播でんぱして見ると、上役うわやくはこれをて置かれぬ事と認めた。そこでいよいよ君侯にもうして禄をうばうということになってしまった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
無尽講のよる、客がすでに散じたのち、五百は沐浴もくよくしていた。明朝みょうちょう金を貴人のもともたらさんがためである。この金をたてまつる日はあらかじめ手島をして貴人にもうさしめて置いたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)