秦野はたの)” の例文
細かくってすみませんが、秦野はたの古葉ひねを二十年員としかずの並物を二十匁、甘いところで水府もの少々と蒔田物まいだものをまぜて三十匁ばかり。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(はがき)昨日きのうは、朝、急に思い立ち、秦野はたのの南方に、関東地震の際の山崩れのために生じた池、「震生湖しんせいこ」というのを見物および撮影に行った。……
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
相州秦野はたのあたりに、将門が都しようかとしたといふ伝説の残つてゐるのも、将門軍がしばらくの間彷徨したり駐屯したりしてゐた為に生じたことであらう。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
仲人の秦野はたの夫妻を送り出したのは、十二時まぢかのことだ。それから加減をみさせて風呂にはいった。
山椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
綺麗に帯封をして小判形にきっちり巻いた刻み煙草、小は半斤、大は一斤、国分こくぶでも秦野はたのでも小口を少しずつ引きだして、これはいかがさまでと遠慮なくませる。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)