秋時雨あきしぐれ)” の例文
この頃は朝夕が肌寒くなって、きょうも秋時雨あきしぐれと云いそうな薄ぐもりの日の八ツ半(午後三時)頃に、ふたりの男が富士裏の田圃路をさまよっていた。半七とその子分の亀吉である。
声は誰でもない千種屋のあの青白く冷たい、秋時雨あきしぐれのような若女房でした。
秋時雨あきしぐれかくて寒さのまさり行く
六百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
いうにゃ及ぶとばかり急ぐほどに、しとしと霧のような秋時雨あきしぐれです。