“碾茶”の読み方と例文
読み方割合
ひきちゃ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このほか碾茶ひきちゃのホンザーもあります。それは白いホンザーを拵える時最初に砂糖一斤の中へ碾茶を大匙二杯入れるのです。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その男が赤毛氈の縁台のまんなかにあぐらをかいて坐ったまま大きい碾茶ひきちゃの茶碗でたいぎそうに甘酒をすすりながら、ああ、片手あげて私へおいでおいでをしたでないか。
ダス・ゲマイネ (新字新仮名) / 太宰治(著)
その時は待合の病人の中を通り抜けて、北向きの小部屋に這入はいって、煎茶せんちゃを飲む。中年の頃、石州流の茶をしていたのが、晩年に国を去って東京に出た頃から碾茶ひきちゃめて、煎茶を飲むことにした。
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)