“石塊道”の読み方と例文
読み方割合
いしころみち100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
石塊道いしころみちを登り、林を抜けると、見張所であった。栗の木の下には、此の前と同じ見張の男が立っていた。私を認めると、かすかに笑ったようであった。何となく元気が無いように見えた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
石塊道いしころみちを、吉良兵曹長に遅れまいと急ぎながら、突然瞼を焼くような熱い涙が、私の眼から流れ出た。いても拭いても、それはとめどなくしたたり落ちた。風景が涙の中で、ゆがみながら分裂した。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)