“矜持”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうじ64.2%
ほこり17.0%
きんじ7.5%
きようぢ5.7%
プライド3.8%
きようじ1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やはり、人間は人間であろうとして、依然、畜生以上を矜持きょうじしている人間もある。当然、ふたいろの人種が、二潮流をここに作った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平常しょっちゅう店の若い番頭や手代の顔をにらみ付けるような眼付をしていたが、しかしそれは彼女が普通の下女奉公と同じに見られまいとする矜持ほこりからであった。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
謝肉祭の仮装になぞらえた幾多の小曲から成ったものであるが、その中にはシューマンの主張と矜持きんじと、洒落しゃれと道楽気と、淡い恋と友情とがかくされており
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
次兄は馬の世話をするのはそれほど好んではゐなかつたが、あまり房一がつきまとふので、一種の矜持きようぢを感じて来て、房一には少しも手出しをさせなかつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
品位のある言葉とは、要するに、その人の「高い教養」から発する「矜持プライド」の現はれであつて、己れを識り、相手を識り、礼節と信念とを以て、真実を美しく語る言葉である。
言葉の魅力[第一稿] (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
矜持きようじをもつてゐたから、そしてその誇りを一途の心棒に生きてゐたから、貧窮の中でも魂は高雅であつたが、又そのために彼の作品は文人的なオモチャとなり
オモチャ箱 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)