めし)” の例文
また水盤をお傾げになる。するとご神水がタラタラと落ちる。お父様の頭へかかるのよ。ええ今度はお父様のね。するとめしいたお父様のお眼が、急にポッとお開きになる。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
めしいた者は見ることが出来、あしなえた者は歩くことが出来、癩病やめる者は潔まることが出来、いた者は聞くことが出来、死んだ者は復活よみがえることが出来、貧者は福音を聞かされる。
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
灯火に射られて胸に垂らした金剛石が燦々さんさん猩々緋しょうじょうひの光を放射する。それにも劣らず輝くのは、えた鷲のように物凄いめしいていない一眼である。彼は全く椅子から離れ太刀の柄へ手を掛けた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
めしいた眼からの涙であった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)