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瞠
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みつ
ふりがな文庫
“
瞠
(
みつ
)” の例文
婦が言葉を尽して有難がる度に、爺は
滅相
(
めっそう
)
もないとばかり両手を振った。「うふふ、何を云いなさるだね……」そして目を据えて宙を
瞠
(
みつ
)
める。
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
あれほど仲の悪かった二人が、相逢うた恋人同志のように、ものも得云わず
瞠
(
みつ
)
めあっている様を見て、光政も思わず眼頭に熱いものを感じた。
だだら団兵衛
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
顎十郎は、ゆっくり一足進みよると、眼を据えて、穴のあかんばかり、藤波の顔を
瞠
(
みつ
)
めていたが、
唐突
(
とうとつ
)
に口をひらいて
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
一同は雷に打たれたようにそれを
瞠
(
みつ
)
めた。しかし物馴れたイワンは全く平気で語をついだ。
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
かの女は小さく
繃帯
(
ほうたい
)
をしている片方の眼を庇って、部屋の
瓦斯
(
ガス
)
の灯にも青年の方にも、斜に
俯向
(
うつむ
)
き加減に首を傾げたが、開いた方の眼では悪びれず、まともに青年の方を
瞠
(
みつ
)
めた。
高原の太陽
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
痩せこけた頬に
些
(
さ
)
の血色もない、
塵埃
(
ごみ
)
だらけの短かい袷を着て、
穢
(
よご
)
れた白足袋を穿いて、色褪せた花染メリンスの女帯を締めて、赤い木綿の
截片
(
きれ
)
を頸に捲いて、……俯向いて足の爪尖を
瞠
(
みつ
)
め乍ら
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
云われて高虎、しばらく池田光政の面を
瞠
(
みつ
)
めていたが、やがて
呻
(
うな
)
った。
だだら団兵衛
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
瞠
漢検1級
部首:⽬
16画
“瞠”を含む語句
瞠目
瞠視
瞠若
瞠入
瞠然
瞠合
胸瞠
見瞠