眼白めじろ)” の例文
ぽかぽかと日あたりのよい縁側に、猫が四五匹、雪見燈籠の笠のうえに、鳥籠があって、二羽の眼白めじろがしきりに鳴いている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
もっとも女はその場に一人しかいなかったが、ぐるりと眼白めじろ押しに取り巻いて、めいめい勝手にお好み焼を焼いていた。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)
百舌鳥もず、鶯、眼白めじろ頬白ほおじろ等を数ふるに過ぎぬ。
沼津千本松原 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
冬だというのに汗をかいていて、ほとんど半裸にひとしい恰好で(すなわち踊りはいかに激しい肉体労働であるかを如実に示しつつ)鏡台の前に、眼白めじろ押しにならんで、化粧を落しはじめた。
如何なる星の下に (新字新仮名) / 高見順(著)