白山坂上はくさんさかうえ)” の例文
円タクで白山坂上はくさんさかうえにさしかかると、六十恰好の巌丈な仕事師上がりらしい爺さんが、浴衣ゆかたがけで車の前を蹣跚まんさんとして歩いて行く。丁度安全地帯の脇の狭い処で、車をかわす余地がない。
KからQまで (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)