をはん)” の例文
此物語に引き入れらるゝおそれなく、詩趣ゆたかなる四圍あたり光景ありさまは、十分に我心胸に徹して、平生の苦辛はこれによりて全く排せられをはんぬ。
わが情はいと高くいと深くして、われ若し姫を獲たらんには、此世の中には最早何の欲望をも殘さゞりしならん。さるを姫は我を棄てゝ渠を取りたり。我黄金こがねなす夢は一旦にして塵芥となりをはんぬ。