甲掛草履かふがけざうり)” の例文
私が八歳の幼時、春風が戸障子としやうじをゆすぶる日の黄昏たそがれ近くであつたが、戸口の障子を開けると、赤いひも甲掛草履かふがけざうり穿いたお河童かつぱの雪子が立つてゐた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)