“生田葵山”の読み方と例文
読み方割合
いくたきざん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は折柄来合はせてゐた生田葵山いくたきざん君に、故人の最近の模様などを尋ねながら、一時間ばかり棺前に侍つて引き取つたやうに記憶してゐる。
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
黒田湖山主筆となりて毎号巻頭に時事評論を執筆し生田葵山いくたきざんとわれとは小説を掲げ西村渚山にしむらしょざんは泰西名著の翻訳を金子紫草かねこしそうは海外文芸消息を井上唖々いのうえああは俳句と随筆とを出しぬ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
或人の話に現時操觚そうこを業となすものにして、その草稿に日本紙を用うるは生田葵山いくたきざん子とわたしとの二人のみだという。亡友唖々ああ子もまたかつて万年筆を手にしたことがなかった。
十日の菊 (新字新仮名) / 永井荷風(著)