甚助じんすけ)” の例文
腹ア立つか知りまへんが、是に懲りずに又来てくんなましよと云ったら、少しも厭らしい甚助じんすけらしい事をいわないで、今日ふりに来たのは只花魁の名高いことを聞いて来たのだが
「おや相変らずの甚助じんすけかえ」紫錦ははすっぱに笑ったが「苦労性だね、お前さんは」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ホッ、ホッ、ホホホ。怒ったよ。まあ、甚助じんすけを起こしてさ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そなた、甚助じんすけじゃないのか」
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
今日は暇だと申しても一人で二人ぐらいのお客は屹度きっとある。忙しいと来たら五六人ずつはありますからなか/\廻しが取れません。甚助じんすけをおこす客もあるがおこって出てくものゝないもおかしい。
母のすがたを見ると、甚助じんすけの眼はひとりでに熱くなった。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甚助じんすけめ! 飛んでもねえ奴だ!」
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)