あそ)” の例文
彼は、おそらく一座の者がつまらないあそび物で打ち興じていることが、あまりに苦々しく思われたのだろう。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
されど習字よりは画を好みて、夜は常に木偶でくの形など書き散らして楽みしが、ただみづから画くのみならで、絵巻物(註、錦絵の事なり)などことの外よろこびて常にあそべりとか。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
否、士大夫したいふともあるべきものが、つまらないあそび物で、カピタンから体よく翻弄されていることを苦々しく思ったのだろう。彼は、玄白が差し出したその袋を、見向きもしようとしなかった。
蘭学事始 (新字新仮名) / 菊池寛(著)