獄飯ごくはん)” の例文
明け方、をねむらしちまおうと思って、獄飯ごくはんの中へ一服ってると、急に、中書ちゅうしょさまのご意向が違うッてんで、大まごつきさ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は、朝夕の獄飯ごくはんを、少しずつ残しては、命松丸がよくやるように、の上で、雀にそれを食べさせていた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じつはその、多年獄吏をやってきた罪ほろぼしにもなろうかと、獄飯ごくはんやら何かの食い余りがあるたび、紙にくるんではそっと空井戸の底へ投げやっておりましたんじゃ。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「さっき晩の獄飯ごくはんを与えました」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)