猫婆ねこばば)” の例文
「とんでもねえ野郎だ。手前は人間が正直だけがせめても取柄だと思ったら、こんな素性の知れない金を、猫婆ねこばばを極めさせようというのか」
恐らく、一人だけに頼んだのでは、猫婆ねこばばされるおそれが充分にある故、老人は万全を期して三人に同じ事を委嘱したのであろうと。
南島譚:03 雞 (新字新仮名) / 中島敦(著)
拾ってそうして我が物とすれば、これは猫婆ねこばばというものであって、泥棒に準じた罪に置かれることは米友もよく知っている。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)