版下はんした)” の例文
先づ草稿を校正して版下はんしたに廻はし、桜の版に彫刻することなれば、彼れ是れ手間取り、発兌はつだは翌明治二年正月のことなりき。
蘭学事始再版序 (新字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
浮世絵画家の版下はんした絵にどれだけの紙がり重ねられて一本の線、一人の顔が描き改められているかを知る必要がある。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
図篇の版下はんしたは、総て自分で画き、日本橋区呉服橋にあった刷版社で石版印刷にし、神田区神保町にあった敬業社で売らしていた。この図篇は、第二集、第三集と続いて出版された。
山羊髯が「分捕潜水艇」の標題を附けた版下はんした寸法書すんぽうがきを印刷部へまわしたものだろう。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
松江しょうこう日頃ひごろ、おいらの大好だいすきとかで、いたおろしをしたのはもとより、版下はんしたまでをあつめているほどしゃ仲間なかま、それがゆうべ、芝居しばいかえりにひょっこりって、このつぎ狂言きょうげんには
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
文「なアに版下はんしたを書くんだ、お父さんの御尊名は何と仰しゃいますえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
版下はんしたか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)