“片影”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へんえい53.8%
かたかげ46.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
では、こうした炎の片影へんえいでなく、真に燃える力をもつ反信長の火元はいったいどこにあるか。聡明そうめいな彼は、すでにその所在を今日では知っている。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そのまえに三根夫は、怪星らしいものの片影へんえいすら見なかった。だから、その怪星のとりこになったなどといわれても、さっぱりがてんがいかない。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)
私の教育に惜気おしげもなく掛けて呉れたのは、私を天晴あッぱれ一人前の男に仕立てたいが為であったろうけれど、私は今びょうたる腰弁当で、浮世の片影かたかげに潜んでいる。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
又警察以外の方面より見るに、これ亦この恐怖すべき出来事に対して説明の片影かたかげをだに捉へ得たるものなし。