照準しょうじゅん)” の例文
今しも敵軍から打ち出した一弾は、照準しょうじゅんあやまたず、四つ目垣を通り越してきりの下葉を振い落して、第二の城壁すなわち竹垣に命中した。随分大きな音である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あわせて二十門は、ぎりぎりと仰角ぎょうかくをあげ、ぐるっと砲門の向きをかえたかと思うと、はるか五千メートルの沖にじっと静止している驚異軍艦ホノルル号の舷側げんそく照準しょうじゅんさだめた。
ザベリン中尉の砲撃命令に、砲手はやむをえず、主砲しゅほう照準しょうじゅんをいそぎ鉄水母の方につけた。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爆撃手は、照準しょうじゅん鏡のクロス・ヘアーに、丸の内の中心部が、静かに動いてくるのを待った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一機のロケット砲室では、山形警部が一心不乱いっしんふらんに、目の前のスクリーンをのぞいている。その上には、X号をのせたロケットの像がうつりはじめた。警部は必死に照準しょうじゅんをあわせた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)