“照栄”の読み方と例文
読み方割合
てりは100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
幕はあがった。揚幕あげまくの霞をづる、玉にあやなす姿とともに、天人が見はるかす、松にかかった舞台の羽衣のにしきには、脈打つ血が通って、おお空の富士の雪に照栄てりはえた。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南無三宝なむさんぽう! 私は恥を言おう。露に濡羽ぬればの烏が、月のかつらくわえたような、鼈甲べっこう照栄てりはえる、目前めのさきの島田の黒髪に、魂を奪われて、あの、その、旅客を忘れた。旅行案内を忘れた。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)