煉瓦屋れんがおく)” の例文
見渡すお堀端の往来は、三宅みやけ坂にて一度尽き、さらに一帯の樹立こだちと相連なる煉瓦屋れんがおくにて東京のその局部を限れる、この小天地せきとして、星のみひややかにえ渡れり。美人は人ほしげに振り返りぬ。
夜行巡査 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)