“無碍自在”の読み方と例文
読み方割合
むげじざい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
無碍自在むげじざいの境にあるからである。己れもなく目に余る敵大軍もない。無我無想のうちに、あるはただ武門の一魂いっこん、それのみだった。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先天的な自然の生命はいみじくも悟得されようが、鶴見が懐抱しているような、無碍自在むげじざいなる事象界の具体性が実証されているものとはどうしても思われない。譬喩があって象徴がないからである。
文学は伝記にあらず、記実にあらず、文学者の頭脳は四畳半の古机にもたれながらその理想は天地八荒のうちに逍遙しょうようして無碍自在むげじざいに美趣を求む。羽なくして空にかけるべし、ひれなくして海に潜むべし。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)