灯口ほぐち)” の例文
「どうして、こちらでは、これでも至って、手軽な注文をつけたつもりなので……」と銀延ぎんのべ煙管きせるをだし、行燈あんどん灯口ほぐちから、周馬は、すぱりと一服吸いつけながら
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ灯口ほぐちに瓦斯の出が細いかして、町全体を魂祭りの宵かのように陰気に照り現すのであったが、それでも、夕闇の行詰った重苦しさの気をかえ一息つかして呉れる。
美少年 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)