潔白けっぱく)” の例文
と、捕縛ほばくしたとき、長兵衛が、身に持っている金子十枚をやるから逃がしてくれ——といったことを、みずからの潔白けっぱくも誇るべく、家康へはなした。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ならば、観察者は清浄無垢むくの傍観者であり、潔白けっぱく雪の如くなるべきやと、堂々とやった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「うん。そうだろ。こりゃあちっと詮議してみべえか。もしお藤さんが潔白けっぱくとなりゃあ、おめえに助太刀して仇敵討ちだ。存外おもしれえ狂言があるかもしれねえ。まま明日まで待っておくんなせえ。」
日夜、言語に絶する拷問ごうもんが加えられたが、金平は毅然きぜんとして潔白けっぱくを主張し続けた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊豆と将監の二使は、その潔白けっぱくにむしろ驚いて
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)