そのころ温に寄せた詩の中に、「満庭木葉愁風起まんていのこのはしうふうおこり透幌紗窓惜月沈くわうしやのまどをとほしつきのしづむををしむ」と云う、例に無い悽惨せいさんな句がある。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)