清浄身しやうじやうしん)” の例文
清浄身しやうじやうしんの持主であるこの尼僧は、そんなものには見向きもしないで、その眼はひたすら純白な自らの姿を見つめ、そしてわれとわが清浄心のむせるやうな芬香に酔つゐいる。
水仙の幻想 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
黒緑の葉蔭から隠者のやうにその小ぶりな清浄身しやうじやうしんをちらと見せてゐるに過ぎない。そして冷酒のやうに冷えきつた春先の日の光に酔つて、小鳥のやうにかすかに唇をふるはしてゐる。
侘助椿 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)